武道館としての精神性（和と礼）を表現するために、正面玄関から中庭を経て、主道場に至るシンメトリックなデザインとし、中庭の白砂と白色特注モザイクタイル壁による白を基調に、自然色である緑（中庭のタマリュウ及び緑青銅板の扉）を用いた。
一方、市民に開放される公園施設にふさわしい親しみやすさを表現するために、修景池を設け、それに面して建物を分節配置している。また、弓ヶ浜の砂の色を再現した特注タイルと塗壁及び、いぶし瓦（同色の金属板を含む）によって、風土性豊かな表情を目指した。
中心施設である主道場は天井・壁を県内産杉材、床を県内産桧材とし、それらの素材感を生かすために、主張しないけれども安心感のある構造架構として、鉄骨張弦梁構造を採用した。
また、柔道、剣道の専用道場、弓道場、相撲場がそれぞれの特性に合わせて配置されている。

2000年8月撮影
Photo Forward Stroke Inc.