琵琶湖岸の彦根市八坂の地に環濠聚落的なキャンパス造営を目指し、マスターアーキテクト（内井昭蔵）のもとで、人間文化学部・交流センターのブロックアーキテクトとして参画した。
人間文化学部は環濠水路に架かる学部の橋から自然に中庭に導かれる。そこでは、機能的に区分された研究棟が管理棟と実験棟に連鎖し、中庭を中心に取り囲む。建物の屋内外に適切に配された交流スペース（コモンスペース）によって聚落と呼ぶにふさわしい有機的な環境を形成している。さらに中庭から増殖するように小広場を設け、周囲に木造実験棟をクラスター配置している。

交流センターは大きく円弧を描く環濠水路に面し、雁行するように連なる軒先によって、キャンパスのシンボルにふさわしい景観を形成すると共に、ホールと連続する多機能ホワイエで様々なイベントができるなど、学内の文化拠点としての役割を果たしている。

2012年5月撮影
Photo Forward Stroke Inc.