本町通りに建つこの建物は、向かいの中国銀行倉敷支店（1922年）と、それに続く伝統的な町並みを意識して、軒高を押さえて計画された。この建物が建つ以前、この敷地は警察署、中央郵便局等、町の中心施設として重要な役割を果たした場所であったが、かつて存在した三階建の倉のイメージを再生し、外壁は白壁と小さな窓、倉敷格子、貼瓦などで伝統的な町並みと、異和感を生じさせないよう配慮している。内部は、音響、照明ともに優れた効果を持つ400人収容のホールを中心に、音楽図書館、集会、展示などといった近代的な公民施設を内包しており、小さな地域社会の文化活動の拠点として親しまれている。

2012年5月撮影
Photo Forward Stroke Inc.