対象は高知はりまや橋交差点にある菓子店の耐震改修と、隣接する新築ホテルの協調整備であり、はりまや橋公園とも調和しつつ、高知らしい新しい街のランドマークとなっている。
この地に40年以上建つ菓子店は、漆喰調の外壁とモルタル櫛引きのパラペットの重厚なイメージで親しまれてきた。耐震改修に当って外壁をコンクリート耐震壁で補強しつつ、黒・白を基調に新・旧の要素を調和させている。
ホテル外壁はかつて運河沿いに建っていた倉庫のレンガをイメージしたタイル仕上げとし、低層部に黒御影石を用いるなど本物志向の重厚な表情を持たせると共に、ホテル最上階の白壁や公園沿い低層部の白壁と黒い屋根の色彩によって、周辺の歴史的景観イメージとの調和が図られている。
菓子店の高層部につくフードの一つは、ホテルのタイル壁と共鳴するよう赤く塗られている。
また、公園とホテルロビイとの間で、屋内外にまたがる素材、色彩の交流が図られている。

2008年6月撮影
Photo Forward Stroke Inc.